眠りの知識

眠りの世界を支配する「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」

 睡眠には、大脳を活性化する「レム睡眠(REM*1)」と、大脳を鎮静化させる「ノンレム睡眠(NONREM)」の2種類があります。

 「レム睡眠」とは、肉体は休んでいるが脳は活動している眠りのことです。10〜20分程度の短い眠りで、眠っていてもまぶたの下で、目がキョロキョロ動いています。レム睡眠中、脳波は起きている時とおなじような活動を示しますが、筋肉は弛緩し、揺すったぐらいでは起きないほど良く眠っている状態のため、レム睡眠は「からだの眠り」「大脳を活性化させる眠り」とも言われています。 一般的に私たちが夢を見ている状態になるのは、一晩に4〜5回あらわれるこのレム睡眠の時です。
 しかし睡眠中に見た夢は、ノンレム睡眠が訪れると忘れてしまうようで、起床直前のレム睡眠でみた夢しか覚えてないそうです。

 「ノンレム睡眠」とは、就寝後すぐに現れる眠りです。「脳の眠り」「大脳を鎮静化する眠り」とも言われ、脳を休ませ回復させる役割があります。ノンレム睡眠中、心拍数は低く副交感神経が優位になり、リラックス状態になります。脳波はゆったりとした波を描き、その変化によって眠りの深さは4段階に区分されます。
 ノンレム睡眠が始まり、<うとうと眠り → 浅い眠り → 中ぐらいの眠り → 深い眠り>と進んだあと一度眠りが浅くなり、その後短いレム睡眠が出現します。睡眠中は、ノンレム睡眠とレム睡眠の2つの眠りが1セットとなり、約90分サイクルで一晩に4〜5回繰り返されています。
 またノンレム睡眠には2種類(深いものと浅いもの)あり、深い眠りのノンレム睡眠が出現するのは、最初の3時間程度だけで、その後は浅い眠りのノンレム睡眠とレム睡眠の繰り返しとなります。「深い」ノンレム睡眠を得ることにより、メンテナンスホルモンが分泌され、質の高い眠りへとつながります。長く寝たから睡眠の質が良くなるのではなく、眠り始めの3時間で睡眠の質が決まるのです。

*1…「REM」とはRapid Eye Movement(急速眼球運動)の頭文字をとったもので、1953年にアメリカの大学院生により発見されました。

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